2022年9月に新スタイル百合群像劇ノベルゲーム『私たちマリアージュ①』をリリースした
本記事では、黒彩黄泉路の中の人こと、滝井ノアメ氏にインタビューを実施。過去作とのつながりや作品への想い、注目の百合作品までさまざまなテーマを語って頂いた。
次回作『私たちマリアージュ②』の初出し情報も教えてもらったよ!
あえてコストが掛かる作りにして、人生をかけた百合作品を作る
――まず、『私たちマリアージュ』についてお伺いできますか?読者に伝えたいこともあるそうですね。
滝井ノアメ(以下、滝井):『私たちマリアージュ』は個人制作で4部作の百合ゲームとなります。
商業作品でも、人気が出たら2やファンディスクを作るといった形で最初から決め打ちで分割作品というのはリスキーなのでやりません。また、ゲームはなるべくコストも抑えてリスクを回避して制作するものです。
でも、本作はあえて4部作決め打ちで、コストが掛かる作りにして、自分が作りたい百合作品を作る事にしました。文字通り人生をかけた百合作品となるので、ぜひ遊んでみてくださいね!
あらすじは省きますが、『私たちマリアージュ①』はスパイが主人公のドタバタメインストーリーとは別で、姉妹の絆を中心に描きました。
百合作品というシーンでは、恋愛感情やそれに近しい感情が今の流行だと思うので、受け入れがたいという方がおられるかもしれません。
それも分かるので、初期プロットでは星と媛(編注:主人公・星野星と先輩・八田媛)の恋愛というのを1作目に持ってくることも考えていました。
ですが、作者としては鷺宮姉妹のキズナを最初に描きたかったので、売り上げより描きたい百合を優先しちゃいました。この作品で、こんな澄んだ関係性の百合もあるんだ。と間口を広げてみてください。
1作目でも恋愛脳のキャラがいて、恋愛百合も入っているのですけどね!
『私たちマリアージュ②』では本筋のストーリーもさることながら、”恋愛ってなに?”がメインテーマになります。すでにお付き合いを始めている甘々カップルも登場します。失恋した大人の女性も登場します。
そうすると、私たちマリアージュが4作通して、いろんな関係性の百合を描こうとしてるんだなという事にお気づきになられるかと思います。
Live2Dを用いて、立ち絵がきゃわわな動きをする『私たちマリアージュ』、1作目にも増して、2作目はみなさん知った名前の作家さんなども参加が決まっているので、ぜひ応援よろしくお願いします!
――最初から飛ばしてますね!ここからは『私たちマリアージュ①』について、もう少し伺いたいと思います。作品の構想はいつ頃からあったのでしょうか?制作に至ったきっかけも教えてください。
滝井:構想自体は、前作『ねのかみ京の都とふたりの姫騎士』の制作初期からなので、2014年頃からありました。
そのとき、細かい設定を全部省いて、イチャラブだけにしぼった18禁百合ゲームとして出したのが本作のプロトタイプとなります。
そこから、今度は18禁要素を取り除いて、ARやVR空間などの時代的な要素を取り入れ、ゼロベースで練り直したのが本作となります。
――『続・日本神話-ねのかみ-』『ねのかみ 京の都とふたりの姫騎士』など和風伝奇もののリリースが続いていました。『私たちマリアージュ①』でそのテイストを大きく変えたのはなぜでしょうか?
滝井:元々ねのかみシリーズは、古事記という日本神話の設定本みたいなものに続きやそれ以前の歴史があったら……というところからスタートしているので、和要素強めに作ってあったりします。
一方で『私たちマリアージュ』は、いまや古典となっているお嬢様学校ジャンルに対する開拓というか、現代版として作ってみたいというのがあり、設定を整地しました。というのがひとつで、テイストとしてはもうひとつあります。
ねのかみシリーズはベースにメインストーリーがあり、バックグラウンドに世界観があって、そのなかで激動を繰り広げる登場人物たち、そのなかで育まれる女性たちの関係性という作りで、登場人物たちは世界の流れに沿って、縦に動くイメージなんです。
百合という女性同士の関係性を重視するがゆえに描ける人数にもシナリオの長さ的に制限があったり、アペンドパッチで18禁要素を追加する必要があったので、展開にも制約が生まれていました。
『私たちマリアージュ』では群像劇として登場人物たちがメインで動くことにより、ストーリーがつながり、世界観があらわになっていく。また『ねのかみ京の都とふたりの姫騎士』とつながっていく。という流れで作ってみたいというのがあり、テイストを変えました。
かんたんに言うと、登場人物たちのさまざまな関係性を描きたいというのが大きくあります。一昔どころか三昔前に流行ったセカイ系ではなく、登場人物たちの行動のみで世界が変わっていくものでもありません。
百合はながめるもの。プレイヤーが主人公の行動を決めることには違和感をある
――『私たちマリアージュ①』で推されているポイント(百合特化のゲームシステムやUI、ASMR)については『ねのかみ 京の都とふたりの姫騎士』の前後編からその片鱗が見えていました。以前から構想があったものかと思いますが、『私たちマリアージュ①』に組み込むにあたって意識して変更した点やアップデートを行ったものはありますか?まずは百合漫画的な表現から教えてください。
滝井:『ねのかみ京の都とふたりの姫騎士』前編では百合漫画的な吹き出し表現を取り入れていました。これは、ふたりの気持ちを同時に覗き見ることができるのが百合漫画の良いところだと思ってたところからはじまります。
今もう発売はしてない『私たちマリアージュ』のプロトタイプから、そのひな形を作って改良していったのですが、『ねのかみ京の都とふたりの姫騎士』では内部のスクリプト的にかなり絶望的な作業量が入ったうえに、本作では3カ国語切り替えというのもあったので、内部的に整えてもらいました。
なので、本作では無理せず要所要所で差し込むことが出来ています。見た目のところでは、立ち絵シーン用のふきだしが2つ出たり、イベントシーン用に専用の描き下ろしの吹き出しを使用したり、表現の幅を増やしています。
――次にASMRはいかがですか?
滝井:フルではなく、音声の一部をASMRにするというのは百合ゲーのみならず「美少女ゲームでも聞いたことないしやってるとこはない。うまくいかないんじゃないか?」と関係者に言われたことがありました。
ASMR、バイノーラル(編注:両耳にマイクを入れて録音する方法。人の頭部を模したダミーヘッドを使用した録音が有名)というのは収録コストも跳ね上がるので、本当は作り手としてメリットはないと思っています。
ですが、慣例は知らんけどうちの百合作品は登場人物=プレイヤーではないので、やってみたいというひらめきから、『ねのかみ 京の都とふたりの姫騎士』後編で試しに入れてみました。
それをプレイした海外のプレイヤーさんのYouTubeのプレイ動画ですごいリアクションをとられていたので、これはいけると思って、本作ではもうちょっと散りばめてみました。
『私たちマリアージュ①』では散らせただけなのですが、が!
――が、で止めないください(笑)、その先をお願いします。
滝井:初出し情報になりますが、②からは声をうまく出せない登場人物が出てきます。
ビジュアルはもう発表してる新キャラのひとりなんですが、その子はささやくくらいしか声が出ない設定としているので、全篇バイノーラルになる予定です。
――初出し情報ありがとうございます!キャラクターによって使い分ける形になるのですね、②が楽しみです。続いて、選択肢についてはどうでしょうか?
滝井:あとでくわしく語りますが、百合は箱庭をながめるものなのに、外からプレイヤーという存在が主人公の行動を決めるということに違和感を持っていました。
自分で作るとなると、なんかその引っかかりを解決する方法はないか。と模索してたのですが『ねのかみ 京の都とふたりの姫騎士』では答えを出すことが出来ませんでした。
『私たちマリアージュ①』では、主人公の選択を直接プレイヤーが選んで意識をのっとるようなことを避けるため、設定にうまく組み込んでみました。
1作目では、主人公の星ちゃんは素直に???に提示された選択を選んでいきます。
ですが、2作目の主人公、媛ちゃんはもうちょっと慎重に物事を判断していくので、あなたが用意した選択肢に従わないかもしれません。これらが本作のこだわったところで、意識して制作しています。
――『私たちマリアージュ①』ではイラストレーターの方も多数起用されていらっしゃいますね。
滝井:さまざまなイラストレーターのみならず百合漫画作家さんなども参加していただいているのも本作の大きな特徴でもあります。
これも普通は「買い切りゲームで絵の違う作家が複数参加すると画面に統一感がなくなる」と否定されがちだったところなのですが、多様なイラストレーターのキャラが画面に出てくるソシャゲが一般的になってきていることや、作家性を重視したいという思いから、あえて今の形をとっています。
もちろんディレクションの範囲内ですが、みんながそれぞれ楽しんで作ってもらって、ある意味学園祭みたいなわちゃっとした統一感とは真逆の、でも百合は描きたい。という見た目を楽しんで頂きたいと思っています。
――『私たちマリアージュ』は4部作になるとのことですが、現時点である程度シナリオは出来上がっているのでしょうか?おおまかなリリースペースは見えていますか?
滝井:シナリオのベースであるプロットは4作目の結の部分まで制作済みですが、1作目を作ってみて、順序の組み替えや変更が必要だなと感じたところもあったので、プロットの修正を行っています。
リリースペースについては、肉体的には年イチで出したいなーという思いはあるのですが、サークルメンバーはノアメさんひとり。他は外注さんで、携わって頂いている方々のスケジュールも鑑みてというところもあるので、時期が来てみないと発表は難しいなーというところがあります。分解には絶対にならないよう綱を引っ張っています。
あと、外注さんふくめてコアメンバー2人という規模なのに対して、制作コストが商業作品レベルで掛かっているので、売り上げでスケジュールが左右されるところもあります。
ノアメさんが働いて、そのお金を制作に投入。働いてる時間は当然、作業が出来ないといった弱点を抱えています。なのでみなさまぜひ買っていただけると助かります。
また、油田をお持ちの百合好きの方に「ドンとお金を出してあげるよ」と申し出ていただけると大変スムーズに制作が進む可能性がございます。
――石油のように百合をあふれさせてもらいたいですね(笑)。少し戻りますが、『私たちマリアージュ②』では新キャラクターも登場するそうですね。今後もキャラクターは増えていくのでしょうか?それにともなって新たなイラストレーターの方も加わるのでしょうか?
滝井:十二宮という設定があるとおり、まず両手に収まらない数の登場人物が2作目以降も含めて出てきます。
これがまず、個人制作のノベルゲーでやることがクレイジーなところなのですが、1作目に引き続き、2作目の制作もザワっとなるようなクオリティの方に参加していただいております。
百合好きなら必須科目といえる百合漫画を描かれている作家さん、ラノベ売り場で、あるいはTwitterで、特定ジャンルのイベントで……。
『私たちマリアージュ』という作品の企画書を見て、参加を決めてくださった方々の発表を時期が来たら行っていきます。
――『私たちマリアージュ②』の主人公は八田媛だと公表されていますが、今後の作品でも主人公はその都度変わるのでしょうか?
滝井:はい。主人公は4人になります。とはいえ、視点がそれぞれ作品内で変わっていくので、メインストーリーに関わってくるのが4人というのが正しいでしょうか。
カップリングの数でいえば、1作目でも複数できていたように、2作目からも増えて参ります。また、登場人物達はそれぞれ悩みや抱えているものも違う為、描かれる関係性や、雰囲気も変わっていきます。
甘々に恋愛している子たち、一筋縄ではいかない子たち、ぜひ楽しみにしていてください。
――『私たちマリアージュ②』の発売目安を教えてください。
滝井:現在、今すぐにはお答えできないところなので、年内のどこかで発表出来ればと思います。1作目を作った時には9月に出したいと思っていたのですが、さまざまな事情からそのもう少し先になりそうです。
同ジャンルの百合作品から笑い飯のネタまで、さまざまなものを消化して作品を生み出す
――ありがとうございます。今後の発表にも注目ですね。ここからは少し枠を広げて百合ゲームについてお伺いしたいと思います。百合ゲームを作り始めたきっかけを教えてください。
滝井:元々、頭に描いた世界とその中に暮らす人々で百合作りたいというのがありました。別にゲームを作りたいという思いで始めたのではなく、表現としてちょうどいいやーというところからゲーム制作をはじめました。
ゲームを作るにあたって、先に話したとおり、百合の世界に外からプレイヤーが介入して主人公の行動を決めることに違和感を持っていましたし、自分が作るならちょっとそれはちがうなーというのがあり、派生して百合作品としてまとめるにはとか、やってみたいが増えたり……。設定や世界観、百合シナリオを描きたいだけなのに、それ以外の作業が山ほどあるのがネックで、しんどいなーというところはあります。
もし今ゼロからはじめるなら、百合ゲームじゃなくてなろう(編注:投稿サイト・小説家になろう)で百合書いてたかもしれませんね。
――百合ゲームを作る上で影響を受けた作品はありますか?
滝井:かなり多岐に渡ってあります。『私たちマリアージュ』のお嬢様学園舞台というところでは、『マリア様がみてる』の原作を読んだり、『FLOWERS』を見たりプレイした上で、同じ方向性でいくと絶対に敵わんなという思いがあり、クラシカルとは別方向で作ろうとなりました。
起承転結で進まないストーリー展開の箱組でいえば、『24 -TWENTY FOUR-』や『プリズン・ブレイク』『ライ・トゥ・ミー』といった海外ドラマが影響しています。
『ねのかみ 京の都とふたりの姫騎士』の主人公・漣ちゃんもやってることがジャック・バウアーだったり、百合漫画の『citrus』(編注:サブロウタによるギャル×生徒会長の百合漫画)からも影響をうけています。
ストーリーのテンポ作りは『Re:ゼロから始める異世界生活』や『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』、笑い飯のネタなどにも影響を受けたりしています。星のツッコミのテンポのディレクションは、陣内智則でーといったお笑いからも影響があります。
大枠の世界観というところでは、日本神話や聖書、クトゥルフ神話などが大きく影響していますし、本作では、鋼のーじゃない分厚い新書の錬金術系の本にも影響を受けています。
うちの作品では今当たり前のようにいれてる用語事典は『アカイイト』(編注:サクセスから2004年に発売された和風伝奇百合ゲーム)の影響が大きいです。豆知識を入れて見たり、小ネタをいれたり、世界観を広める内容を入れてみたり、遊んで作るようにしています。
挙げるときりがないくらいなのですが、百合作品はもちろん、百合やゲームに限らずあらゆるものを吸い込んで吐き出しています。
『私たちマリアージュ』では、近年の病み文化や地雷系といったところに影響を受けてるキャラなども出てきます。
――同ジャンルから芸人さんのネタまで、かなり幅広いですね。今までリリースした作品のなかで、特に気に入っている作品はありますか?
滝井:全作気にいっていて、全作気にいらないです。
部分的には、『私たちマリアージュ①』では近衛がほまれと向き合って口上を述べるところの台詞や、ベッドの所の演出などは気に入っています。星のSDイラストのシーンも、絵とシナリオがカチッとはめられたので気に入っています。
『ねのかみ 京の都とふたりの姫騎士』後編のラストの絵は特にお気に入りで、背景もちゃんと清水寺までロケハンしにいって、本堂の後ろにうっすらみえるアレとかも距離とどこにーという位置を計算して描いてもらったりしました。
毎作、予算の都合や自分の至らなさから、こうしたかったのに!みたいな悔しさがあって、そういった部分は気に入らないことがあります。悔しさを基に毎作、克服するチャレンジをしたり改善していけるところを強化したりもしているので、それがクリエイトの醍醐味でもあるのですが……。
もちろん、どれも価格以上の作品に仕上げていますので安心して購入してください。各作品の登場人物やカップリング、デザインから設定までみんな気に入っています。
――自分のゲームのなかで、特にお気に入りのキャラクターはいますか?
滝井:メイン、もしくはメインに近い女性陣の名前はしっくりくるまで考えているので全員思い入れが深いです。結構悩むんですけど、あるとき急にカチッとハマって名前が出来ます。
『私たちマリアージュ②』に登場する母古瀬アリッサなんてのは非常にかわいいキャラを表した名前になります。もこもこってして。
『ねのかみ 京の都とふたりの姫騎士』や『私たちマリアージュ』のプロトタイプ作品で出ていた子なんですが、2作目に出るという情報も初出しですね。
アリッサとお付き合いすることになる周防ひつじという子も、名前とキャラが釣り合ってなくて面白いです。
キャラデザもみんな個性的にデザインしてもらってるのですが、『ねのかみ 京の都とふたりの姫騎士』の白狗は初期デザインと、リニューアル後の装備もノアメさんが自分でデザインしたので思い入れは強いです。
また、『私たちマリアージュ②』から登場するレビス、袮々なんかはVtuber的なデザインに仕上げてもらったので、色んな意味でインパクトに残るキャラになるんじゃないでしょうか。
――またしても初出し情報ありがとうございます!ゲームに限らず、百合作品に興味を持ったのはいつ頃からですか?
滝井:いろんなところで毎回聞かれるので、ちょっとズラして答えますね。百合に限らず、アニメはレンタルや配信で古い時代のものからいろんなものを見ます。
マイナーで、古い作品で、全篇百合アニメってわけでもないのですが、あるとき、アニメ好きの知り合いの家で古いDVDを借りて、そのおすすめの中に『セラフィムコール』という髪の毛がとがってた時代(1999年)のアニメがあったんです。
5,6話以外、すべて独立した話で基本百合じゃないんですが、その2話だけ姉妹百合のお話で。
男からの恋文で、姉妹それぞれが疑心暗鬼になって、当時からそんな設定あったんかーっていうVRダイブして、お互いになりきって深層心理を探り合って。
結局、お互いが想ってるのはお互い姉妹同士ということが分かる。という話で、2話に分けてそれぞれの視点から同じ内容でやるという今じゃネットがざわつくような構成で。
姉妹でキスして現実かどうか確かめて終わるし、手紙は姉妹に関わらないところでオチにつかわれるという完璧な百合なんですが、配信もされてなくて、話題にも上がることはなさそうなので紹介しておきますね。
――ゲームに限らず、好きな百合作品はありますか?
滝井:いま、単行本を楽しみにしてるのが、まにおさんの『愛したぶんだけ愛してほしいっ!』(編注:『百合姫』に連載)です。ちょうど今休載されているので、再開が待ち遠しいですね。
近年、病みかわブームが自分の中で高まってたところだったので、去年『きたない君がいちばんかわいい』を読んで刺さったり、この作品だったり、まにおさんの作品が連続で刺さり続けてます。
その病みかわにハマるきっかけが、『25時ナイトコードで』(編注:『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』に登場する音楽サークル)で、百合と銘打ってるわけじゃないですが、えなまふ、かなまふと百合なのでみんなハマって。
にわか百合ファンみたいになっちゃいますが、去年は『リコリス・リコイル』からの『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の流れがおいしすぎました。
自分も「百合ゲームなんて売れない」なんて言われてた暗黒の時代から百合ゲーム制作を始めたので、今の百合作品大航海時代はすごく喜ばしいです!
色んな方向性の百合作品が出てきて、重い百合を味わいたいところにゆあまさんの『君と綴るうたかた』がきて好きになって読んでたり、深い百合を味わいたいってときは、『リズと青い鳥』のブルーレイとト書き入りの台本を読んだり。
好きな作品を挙げるときりがないのですが、好き嫌いは置いておいて割といろんな百合作品を見ます。
きらら系の親友的な百合、重く暗い百合、自分の作品には取り入れませんが、男性が絡む要素があって、でも女性同士でくっつくタイプの百合漫画も読みますし、百合じゃない作品でも妄想ができる余地のあるカップリングを楽しんだりもします。
同人誌だとふたなりものも見たりしますし、まれに実写作品も見ますし、海外ドラマで男性も絡む作品ですが、『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』という刑務所ものもおもしろくて見ていました。
ただし、ゲーム作品では男性が絡むのは禁忌とされているのは大前提なので、そこはプレイヤーのみなさんと同じ立ち位置から作品を作るようにしています。
時代によって流れって変わると思いますが、少なくとも今は間違いなくそうなので、作り手としては理解も意識してます。作者が百合好きだからこそ、そのへんのさじ加減は任せてもらって、安心してうちの作品をプレイしていただきたいです。
滝井ノアメさん、ありがとうございました!
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今回お話を伺った滝井ノアメさんのサークル・黒彩黄泉路がリリースした作品は当メディアでもレビュー記事を掲載している。未プレイの作品があれば、ぜひチェックしてほしい。