『サクラ・MMO3 ~生と死の女神~』は異世界転生ものの百合ビジュアルノベルだ。
前作で魔女・ガルデニアからこの世界が滅亡すると聞かされたヴィオラたちは世界を救うため、邪神・イオナとの戦いに挑む。1作目の伏線が回収され、エンディングに向かい、物語はいよいよ大きな盛り上がりを見せる。
最終決戦までは緊迫した雰囲気でシリアス度高めだが、エンディングでは決戦を終え、リラックスしたキャラクターたちのラブラブっぷりを眺められるのが楽しい。気軽にプレイできる少し”大人向け”の作品だ。
本記事では『サクラ・MMO3 ~生と死の女神~』のあらすじやヒロインを紹介した後、ゲーム内容をレビューしていく。
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作品概要
ジャンル | 百合ビジュアルノベル |
発売元 | Gamuzumi (公式サイト) |
開発元 | Winged Cloud |
プラットフォーム (ストアリンク) | Nintendo Switch PlayStation 4 & 5 PC(Steam) |
日本語対応 | Switch:◯ PS:◯ Steam:× |
発売日 | Switch:2022年11月10日 PS:2022年11月4日 Steam:2019年6月8日 |
プレイ時間 | 2時間30分 (全CG回収まで) |
あらすじ
この世界(アサフ)を破壊しようとする邪神を倒せるのは、異世界から来た者だけだ。
全知の魔女・ガルデニアの策略によってアサフに呼ばれたヴィオラ(ことね)とエレリ(あいな)が元の世界に戻るには、この世界を救わなければならない。
ヴィオラたち4人は邪神・イオナのいる地獄への入口を探すため、この世のすべての知識が保管されているという「禁断の図書館」を目指して出航した。
しかし、図書館がある島の所在は不明。存在すら怪しまれるほどで、出港後1週間経った今でも見つからない。
ヴィオラはガルデニアとの交信で新たに航海士と仲間になると告げられる。
その直後、ヴィオラの船は女海賊の襲撃に遭う。
魔女とヒロインたち
ヴィオラ
ゲーム「アサフオンライン」に君臨する“闇の魔女”。
アサフにやってくる前は東京で弁護士をしていた。
ネーヴ
ヴィオラに仕えるメイド。
好きに振る舞う仲間たちのおかげで疲れ気味。
フィオン
ヴィオラに拾われた元・泥棒。
粗暴な態度で周囲を呆れされることも。
エレリ
ヴィオラ(ことね)と同じく、ゲームの世界に入り込んでしまった剣士。
元の世界では、名古屋在住・あいね。
ボニー
ヴィオラの船を襲撃してきた女海賊。
自由を愛する精神の持ち主。
レビュー
これまでと一味違うヒロイン?シーズン終盤のキーパーソン・ボニー
『サクラ・MMO3 ~生と死の女神~』でストーリーの鍵を握るキャラクターは海賊のボニーだ。
ボニーはヴィオラの船から金目の物を奪うべく戦いを挑んでくる。戦闘能力は高く、動きは素早い。勝つためには手段を選ばない彼女はヴィオラにとって久々に手応えのある敵だった。打ち倒したが、素直に服従するような相手ではない。
ボニーはヴィオラに対し、一定の敬意は払いつつも自分の信念を曲げようとはしない。
そんなボニーにヴィオラも一目置くようになる。
今までのヴィオラは仲間を”かわい子ちゃん”として扱い、守ってあげなければならない存在として側に置いていた。か弱い彼女たちを仲間と認めつつも、どこか愛玩的な存在と見ているような描写はが多かった。
しかし、ボニーは誇り高く、守ってあげなければならない存在というよりむしろ対等なライバルに近い。
そして、ヴィオラのハーレムの一員だった仲間たちは確固たる意志を持つボニーの戦いに刺激を受け、バトルのなかで優れたチームワークと己の限界を超えた力を発揮する姿を見せる。
その様子を見たヴィオラはそれまでの”かわい子ちゃん”たちから対等な一人の戦士として仲間を認めるようになるのだ。
ボニーとの出会いはヴィオラと仲間たちの成長と絆を強固にするため、大きな役割を果たしていた。
伏線を回収しつつ、盛り上がりを見せるストーリー
『サクラ・MMO3 ~生と死の女神~』ではシリーズ1作目の序盤から仕込まれていた伏線が気持ちよく回収される。
例えば、1作目で悪事を働いたフィオンを連れて行った場所やヴィオラのネックレス、シリーズを通して描かれるネーヴの過剰なヴィオラへの愛情など、なにげない描写にそれぞれ意味を持たせている。
伏線についてのネタバレ(+で開く)
- ヴィオラのネックレスを盗んだフィオンに罰を与えようと連れて行く場所=地獄への入口
- ヴィオラの死霊を動かせるネックレス=イオナからの攻撃を回避するのに使用
- ネーヴの病的な愛=ヴィオラとの生活が長くなるにつれ、行き過ぎた愛情が憎悪に変わり、裏切りの理由に
邪神・イオナとのバトルも見応えがあり、前述の伏線回収と併せてカタルシスを感じさせてくれる。シリーズ全体を通して満足できるストーリーだった。
見た目はおバカな百合っぽいけど、予想を気持ちよく裏切ってくれたね!
ハッピーエンドのその後に……(個別エンドネタバレなし)
『サクラ・MMO3 ~生と死の女神~』のエンディングは5つ。
- ネーヴエンド
- フィオンエンド
- エレリエンド
- ハーレムエンド
- バッドエンド
具体的な内容には言及しないが、戦いを終えて平穏な日々に戻ったヴィオラたちが仲良く過ごす姿は微笑ましい。
私の推し・ネーヴが幸せそうで良かったです!
ゲームクリア後にロックが解除される「エキストラ」では作中に登場するとあるキャラクターたちのその後が描かれている。こちらも良いイチャラブストーリーだった。
総合評価
『サクラ・MMO3 ~生と死の女神~』は異世界転生ものの百合ビジュアルノベルの完結編だ。
オンラインゲームの世界に入り込んでしまった主人公が、戦いを通してヒロインたちとの絆を深めながら、世界を救うために最後の戦いに挑む。
本作から登場するキャラクター、海賊のボニーはヴィオラにも屈しない強靭な意志を持ち、彼女の振る舞いがヴィオラを含めた仲間たちに変化を及ぼすほど、存在感があった。
シリーズ通して仕込まれていた伏線も回収し、最後の戦いを見届けた後にはカタルシスを感じさせるフィナーレだ。
異世界転生ものやファンタジーが好きな百合ゲーファンはシリーズを通してプレイすると良いだろう。
- カタルシスのあるストーリーと伏線回収
- 成長するかわいいヒロインたち
- たまに見られる誤字
『サクラ・MMO3 ~生と死の女神~』
- 対応機種:Nintendo Switch、PlayStation 4 & 5、PC
- 発売日:2022年11月10日(Switch)、2022年11月4日(PS4&5)、2019年6月8日(Steam)
- 発売元:Gamuzumi
- 開発元:Winged Cloud
- ジャンル:百合ビジュアルノベル
- 筆者プレイ時間:2時間30分(全CG回収まで)
- レビュー時のプレイ機種:Nintendo Switch
- メモ:PC版は日本語非対応
※2022年12月17日時点
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