2024年7月25日に発売予定のPC向けノベルゲーム『リルヤとナツカの純白な嘘』。
『グリザイア』シリーズで知られるゲームブランド・フロントウイングが制作する作品だ。
シナリオは美少女ゲームのシナリオを多数執筆している浅生詠氏、キャラクターデザインは百合アンソロジー『Avalon』の表紙やアニメ『私の百合はお仕事です!』のエンドカード(シフト.06)を手がけたイラストレーター・切符氏が担当している。
車椅子に乗る盲目の画家・リルヤと、助手・夏夏(なつか)が、依頼人の日常にひそむ謎を解き明かしていく物語が描かれる。
今回は発売に先駆けて、フロントウイングから『リルヤとナツカの純白な嘘』序章部分の映像提供を受けた。本記事では、その映像のインプレッションをお届けする。
安楽椅子探偵・リルヤ参上、ミステリー成分濃いめのストーリー
本作の主人公は画家のリルヤと助手の夏夏だ。
リルヤはネット上で正体不明の天才画家と噂されている。依頼を受ける基準は権力や金銭ではなく、リルヤの興味を引くかどうかだ。
序章ではお菓子メーカーで働く、春日衣 優(かすがい ゆう)が依頼人として現れる。結婚を控えた優は新居に飾るため、思い出の場所の絵をリクエストする。
会話のなかで、優は明るく振る舞っているがどこか心ここにあらずといった雰囲気が感じられる。リルヤは優がなにかを隠している、もしくは怖れていると考えていた。そこに興味を持ち、依頼を受けることにした。
ここからは夏夏の出番だ。外出しないリルヤに代わって優とともに思い出の場所を訪ねる。目の見えないリルヤにとって、夏夏がもたらす情報がインスピレーションの源だ。
夏夏は思い出の場所に着くと、リルヤと通話しながら、さまざまな情報を伝える。目で見たものだけではなく、その場で自分が感じたことを共有したり、優との会話のなかから過去の話を引き出していく。そして夏夏がある行動を取ったとき、優が封印していた記憶が刺激される。
筆者は序章から、「日常の謎」を扱ったミステリーの要素が強い物語だと感じた。
物語は以下の4つのパートで構成されている。
- 依頼の受諾と現状の確認
- 夏夏による情報集め
- リルヤの絵によって依頼者の心を解放する
- リルヤによる謎解き
プレイヤーは夏夏の視点で解決につながるヒントを集めながら、それらを基に推理し、物語を楽しむ。ミステリーが好きなプレイヤーと相性が良さそうだ。
リルヤによる答え合わせパートでは、真相にたどり着くまでの流れを丁寧に説明してくれるので、考えるのが苦手というプレイヤーでも気軽に楽しめる。
リルヤと夏夏だからこそ必要な会話
プレビューとして映像を提供された際、テキスト送りのスピードが速かったら読み切れないかもしれないと思ったが、それは杞憂だった。
序章はほとんど会話で構成されていたからだ。キャラクターがずっとしゃべってくれるため、テキストを読まずとも理解できる。
会話の多さにはリルヤの視覚障害が関わる。
目の見えないリルヤのために、夏夏は状況を言葉で伝えている。そのため、地の文がなく、物語全体が会話の形で進んでいくのだ。
さらに夏夏が使う言葉にも注目したい。たとえば、優の思い出の場所に行ったとき、夏夏は見晴らしの良さや空の青さを言葉で表現する。ただ「青空」だと伝えるのではなく、「この世界に、空とわたしと優さんしかいないような錯覚に陥りそうです」と自分の言葉で表現する。それがリルヤのインスピレーションを刺激するのだろう。
リルヤと夏夏の会話からは、お互いを信頼していることが伝わってくるし、絆の強さも感じる。本作は序章+4章の全5章で構成されるとのこと。序章の時点ではリルヤと夏夏の間に恋愛感情はないが、今後の依頼を経て、ふたりの関係がどのようなものになるのか気になるところだ。
しかし、意外なところで百合展開があったので、百合好きは目を皿のようにしてチェックすべし!
序章の視聴時間は2時間弱だったよ!
発売情報
- 発売予定日:2024年7月25日
- プラットフォーム:Steam、DMM GAMES、DLsite
- 対応言語:日本語、英語、簡体字
- 価格:3,960円(DMM GAMES、DLsite)
- 企画・シナリオ:浅生詠
- キャラクターデザイン・原画:切符
- 音楽:安瀬聖 (Peak A Soul+)
- 制作:フロントウイング
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