『Affection -三姉妹と従者の少女-』はmismi氏が制作したフリーの百合ビジュアルノベルだ。
身寄りがない主人公は三姉妹が暮らす屋敷でメイドとして働きはじめる。ヒロインたちに仕えるうちに、愛情(Affection)にふれ、主人公の心の傷が徐々に癒やされていく。
魅力的なヒロインたちとの心あたたまるストーリーが特徴の作品だ。
本記事では『Affection -三姉妹と従者の少女-』のあらすじ、登場人物を紹介した後、ゲーム内容をレビューしていく。
本記事はmismi氏からリクエストを受けて、作成しています。
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あらすじ
沙耶は学校を辞めた後、恩師のツテを頼り、ある屋敷でメイドとして働くことになった。
心を閉ざし、投げやりになっていた沙耶だったが、三姉妹に仕え、時間を共有するうちに心のなかで新たな感情が芽生える。
キャラクター紹介
宮代 沙耶
三姉妹に仕えるメイド。
記憶力に優れている。
クレアリス・ヴィスコット
三姉妹の長女で、沙耶の雇用主。
年齢は沙耶の1つ下だが、翻訳家として活躍している才能あふれる女性。
シルヴィア・ヴィスコット
三姉妹の次女。年齢はクレアリスの2つ下。
不眠に悩まされており、学校へは行かず、引きこもっている。
マリー・ヴィスコット
三姉妹の末っ子。年齢はシルヴィアの2つ下。
私立学校に通っている。
レビュー
登場から数分で長女の虜に!心温まるストーリー
『Affection -三姉妹と従者の少女-』にはやさしさが詰まっている。
三姉妹が暮らすにはあまりにも大きな屋敷は凜とした雰囲気を漂わせ、近寄り難さをも感じさせる。身寄りのない主人公・沙耶は緊張しつつ足を踏み入れた。
どんな冷たい主人が現れ、どんな扱いを受けるのだろう……?読者も読み進めていくうちに自然と肩に力が入ってしまう。
沙耶が最初に出会う長女・クレアリスは若いながらも落ち着きのある女性だ。沙耶の緊張をほぐすようにやさしい言葉をかけてくれる。
この人なら味方になってくれそうだという安心感が生まれ、この先のロマンスを期待させるワンシーンだ。
我ながらチョロい。
その後に出会う、次女・シルヴィア、三女・マリーもそれぞれのやさしさを持って沙耶に接する。読後感も良く、心温まる物語だ。
メイドがいじめられることはないから、安心ね。
物語のスパイスとなる”悩み”がヒロインを輝かせる
『Affection -三姉妹と従者の少女-』の登場人物たちは主人公・沙耶を含めて、それぞれの悩みを抱えている。
本作で重要なのは沙耶が心に傷を負った人間であること。
沙耶自身は自分のこととなると視野が狭まってしまい、マイナスへマイナスへと考えて塞ぎ込んでしまうが、相手のこととなれば別。ヒロインたちに寄り添い、助け合い、癒やしを与え合う。
いわば許しのような描かれ方をしている。三姉妹との愛情が自然と深まっていき、その先にはロマンスが待っている。
ちょ、主従の関係性はどうした!
プレイ時間は2.5時間、短い時間でサクッと遊べる
筆者のプレイ時間は2.5時間。初回プレイでは1時間15分、その後に別ヒロインのエンディングを見るのに1時間15分だった。ボイスはないため、プレイヤーの読むスピードによってプレイ時間は変動するだろう。
エンディングはヒロインごとに1種類ずつ、合計3種類。Ver.1.10では前日譚エピソード(OTHER)が追加された。
とても良い物語だったので、もう少し長く読みたかった!
総合評価
『Affection -三姉妹と従者の少女-』はメイドを主人公にした百合ビジュアルノベルだ。
心に傷を抱え、身寄りもなかった主人公・沙耶が大きな屋敷に住む三姉妹に仕え、寄り添いながら、お互いの悩みにふれ、許しを与えるストーリーはやさしさに満ちている。
三姉妹はそれぞれ特徴的でかわいらしく、三者三様のエンディングも美しく輝いていた。
主従関係を生かしたエピソードやもう少しボリュームを増やしてキャラクターの背景を深掘りできるような描写があるとなお良かった。
気軽に遊べる百合短編作品でほっこりした気分になりたい人にプレイしてほしい作品だ。
- やさしいストーリー
- かわいい三姉妹
- 主従関係がぼやけ気味
『Affection -三姉妹と従者の少女-』
- 対応機種:PC
- 公開日:2022年4月29日
- ジャンル:百合ビジュアルノベル
- 企画・シナリオ:三澄しほ
- 原画・キャラクターデザイン:あさ、ろけ
- 筆者プレイ時間:2.5時間(全エンディング)
- レビュー時のプレイ機種:PC(v1.10)
※2023年3月5日時点
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同じくメイドが主人公の百合ゲーム『Blackberry Honey』もおすすめだ。邪悪なイビリなどもあるが、その描写によってロマンスが引き立つ作品なので、耐性のある方はレビュー記事をチェックしてみてほしい。